宮澤章二の校歌を訪ねて さいたま市立芝川小学校

宮澤章二の校歌を訪ねて さいたま市立芝川小学校  詩人 宮澤章二 ヤギ部

宮澤章二の校歌を訪ねて

 

「こころづかいはだれにでも見える」と綴ったさいたまの詩人、宮澤章二。

今回は、彼が作詞した校歌を訪ねて、見沼たんぼを流れる芝川のほとりにある、さいたま市立芝川小学校へ訪問した。

さいたま市立芝川小学校

 

宮澤章二が校歌の作詩をした小中高等学校は全国に約300校、埼玉県内は約190校、さいたま市内は20校以上あります。芝川小学校の校歌は昭和52年に作られました。

芝川小学校は、昭和49年4月1日に創立され、開校当初は片柳小学校の校舎を間借りして授業を開始。現在の校舎に移転したのが同年6月9日で、この日が開校記念日となりました。

開校時の児童数が266人で、第1回の卒業生が36人の小規模校でしたが、現在は約700人の児童が通っています。その校歌には、昭和50年代の見沼の面影が偲ばれる言葉が随所に散りばめられています。

一番の「桜の花」「芝川」「春がわく」、二番の「昔がかおる見沼の道に草のいのちも(中略)土に実ろう」、三番の「飛べよ白さぎ」など、当時の芝川のほとりや田園風景、見沼に飛んでくる白さぎの姿が目に浮かぶようです。

現在の小学校の周辺は住宅街になり、すぐそばに自治医大学付属さいたま医療センターができるほど大きく様変わりしました。でも、校歌にも描かれた「明日の子われら 胸のいずみに愛が住む」の精神は学校の取り組みに受け継がれています。

 

さいたま市立芝川小学校  詩人 宮澤章二 ヤギ部

土手を散歩するヤギの親子

 

その一例が、小学校でヤギを飼っています。近年では、動物飼育を行わない小学校が多い中、保護者の有志を中心に結成された“ヤギ部”が世話をしています。

ほぼ毎日ヤギを散歩させているPTA会長の岡野友敬さんは「ヤギの周りには、子供は勿論、地域の高齢者も集まってきて、コミュ二ティの場になっている」と話します。

校長の佐藤利春さんは、ヤギの出産に2回立ち会い「非常に感動した」そうです。

 

さいたま市立芝川小学校  詩人 宮澤章二 ヤギ部

岡野友敬さん作のイラスト

 

また、昭和54年から“ホタル飼育活動”も行っています。最盛期は1000匹ものホタルを育てていたとのことですが、現在は約200匹。毎年鑑賞会を行っていて、去年は1300人を超す人たちが参加したといいます。

新型コロナウィルスなど暗い話題も多い昨今ですが、次世代を担う子どもの胸に愛を育む芝川小学校の活動は、日本の社会を照らす一筋の灯りになりそうです。(宮澤鏡一)

 

さいたま市立芝川小学校 校歌

 

作詞 宮澤 章二 作曲 大中 恩

一 さくらの花を 心に飾り

望み 明るく 友と来て

まなびや 楽し 芝川の

庭に 伸び立つ

風の子 われら

光るひとみに 春がわく

 

二 昔がかおる 見沼の道に

草の いのちも たくましく

あふれる カ 芝川の

土に実ろう

知恵の子 われら

ひとりひとりが 美しく

 

三. 歌声高く かがやく朝は

飛べよ 白さぎ 空の果て

思い出 満ちて 芝川の

雲に 手を振る

明日の子 われら

胸のいずみに 愛が住む

 


 

【2020年4月10日発行 アコレおおみやno.45 掲載】

 

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